機械学習による光学設計
近年の計算機の発展により、演算を高速に処理することが可能となりました。しかし、所望の光学特性を実現するための逆設計(図1)では膨大な計算量が必要となります。私達は機械学習を導入して、これを解決する研究を行っています。
ニューラルネットワークはソフトウエア的に神経網を模倣したデータ構造を作り出す方法です。学習データから導き出される結果をニューラルネットワークに学習させると、極めて速く結果を推定できるようになります。私達が研究対象としている複雑な構造の光学計算では、ニューラルネットワークに学習に学習させた結果、数千倍の速度で結果が得られました。これを使って逆設計を行い、クローキング媒質の設計に成功しました。クローキングとは物質を不可視化する技術です。
ニューラルネットワークでは予め学習データを準備しておく必要があり、これに時間がかかる場合があります。学習データなしで最適な構造を探索する遺伝的アルゴリズムを使ったクローキング媒質の設計も行っています。これまでの提案された構造ではクローキングができる波長範囲が狭かったのですが、可視光領域すべてにわたりクローキング可能な構造を導き出すことができました。

研究内容に戻る