物体を不可視化する研究(クローキング)
物体を特殊な媒質で覆うことにより不可視化する方法をクローキングといいます。
不可視化の1手法であるクローキングにはいくつかの方法があります。よく研究されているのは図1に示す2つの方法です。(a)は光がクローキング媒質を迂回するように設計する方法で、クローキング媒質には複雑なメタマテリアルが必要です。(b)はクローキングの対象物中の分極をクローキング媒質で打ち消す方法です。分極が打ち消されることにより全体不可視化できます。この方法では比較的簡単な構造でクローキングを達成できます。
(a)の方法を使ったクローキング媒質の設計は、これまで解析的な手法である変換光学を使った設計が 主流でした。しかし、本研究室では、ニューラルネットワーク等の機械学習や遺伝的アルゴリズムを用いて それよりも高い性能を持つクローキング媒質を設計できるようになりました。
(b)の方法では、ミー散乱理論を使った厳密解を求めて散乱が最小となるようにクローキング媒質を設計できます。 設計で求めた構造がクローキングを達成できていることは、FDTD法という数値的な電磁界シミュレーションで 確かめられます(図2)。さらに、私たちの研究室では、実験でもクローキングできることを示しました。

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