表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance: SPR)
表面プラズモンとは?
一般に光は電子波(plasmon)とはカップリングしないが、表面ではその特殊性から光とカップリングを起こす電子波のモードが生じる。これを表面プラズモン(surface
plasmon)と呼ぶ。図1に示した電子波と光の分散関係から、エバネッセント波のみが表面プラズモンとカップリングすることがわかる。
Kretwschmann配置
全反射表面にはエバネッセント波が発生している。これを利用した表面プラズモンの励起方法としては、Kretschmann配置とOtto配置の2つが有名である。特に、図2に示したKretschmann配置は良く使われる。
Kretschmann配置を利用するにはプリズム底面に金属層(Au,Agなど)を約50nm真空蒸着する。θ-2θゴニオメータ上に配置し反射率を測定したものが図3の赤線で示した表面プラズモン共鳴スペクトルである。緑色の矢印で示したところが、表面プラズモンが起こったところであり、入射光のエネルギーが吸収されていることがわかる。以下のような特徴を利用した研究が広く行なわれている。
(1) 金属表面上に1nm程度の試料(誘電体薄膜)が吸着しただけで青破線のように共鳴角度が変化するため、微量の試料の測定が可能。
(2) 入射角を適当な角度に固定して反射率の時間依存性を測定すると図4に示すように吸着や脱離過程の動的な測定が可能である。これを応用してバイオセンサなどに用いられている。
(3) 金属表面上には、入射光電場の10倍以上の電場強度を持つエバネッセント光が存在している。蛍光、ラマン散乱、光高調波発生の増強などへの応用が考えられる。
ローカルプラズモン
図5に示すように表面プラズモン共鳴は、Au微粒子などに光を入射しても起こる現象である。Au微粒子を用いた場合には520nm近傍の光に対して強い吸収ピークが現われる。ローカルブラズモン共鳴とも呼ばれ、Kretschmann型の表面プラズモン励起と同様に電場の増強効果もあり様々な応用研究が進んでいる。
